授のシミュレーションによると、京都の中心にある寺町からよく見える東山が、改築後は京都ホテルにさえぎられてしまうことがよくわかる。
京都ホテルがある地域では、建物の高さは四十五メートルに制限されている。
ところが、京都市は一九九二年六月、高さが最高制限をはるかにこえるこの改築計画を承認した。
京都府知事も翌七月、世論調査で「反対」が多数をしめたのに、京都市の決定を追認した。
なぜ、こうしたことが違法行為にならないのだろう。
免罪符は、一九七○年に都市計画法と建築基準法につけくわえられた「総合設計制度」である。
ビル建設の際に敷地内にミニ公園など公共施設をつくれば、高さや容積率の規制を緩和するという制度である。
わずかな公共施設を提供すれば、それまでと比較にならないほど大きなビルが建てられるという、建築主にはきわめて有利な制度である。
規制を無視したような高層ビルが全国地に相次いで出現しているのは、建築主にとっては「打出の小槌」といわれるこの新制度によるところが大きい。
京都市は、この制度を一九八八年に導入している。
京都駅の改築問題は、京都ホテルよりさらに大きな波紋を国の内外に広げた。
一九九一年二月に国際コンペの入選作として発表されたのは高さ五十九・八メートル、幅四百七十八メートルの巨大なビルである。
問題は大きくわけて三つある。
JR西日本の京都駅は、京都の市街地の中心にあるため、改築で巨大な壁が古都を物理的にも、景観的にも南北に分断してしまい、町の様子が一変してしまうことはシミュレーションではっきりしている。
しかも、駅の改築計画といっても、駅の部分は床面積で五%に満たないという。
最高十三階のビルの大部分は、民営化されたJR西日本のホテルとデパートの伊勢丹がしめる。
端的にいって、ほとんど単なる商業施設のために京都の景観が台なしになっていいのかという問題がある。
国際コンペが開催されたときは、駅周辺の高さ制限は三十一メートルである。
コンペの主催者はこうした制限を無視して作品を募集した。
出品された七つの作品は、いずれも規制をこえており、世論の批判を受けたこともあって、入選作は出品作のなかでも一番低いものが選ばれた。
それでも、高さは制限の約二倍である。
規制を踏みにじっていいのか、というのが第二の問題だ。
規制を無視したコンペを主催し、改築の施主になるのが「京都駅ビル開発株式会社」である。
JR西日本をはじめ地元財界総出で設立し、京都府や京都市は公金を出資している。
エグゼクティブがマーケティングのお手伝いを致します。インパクトのあるエグゼクティブです。
自作のエグゼクティブをわかりやすくイラストで表現しました。誰もが楽しめるエグゼクティブです。
エグゼクティブってなかなかですよ。エグゼクティブの検索がとっても楽になりました。



